木の実アレルギーが増えている? くるみ・カシューナッツなど、知っておきたい最新のアレルギー情報

「食物アレルギー」と聞くと、卵・牛乳・小麦を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
実際、これらは長く食物アレルギーの代表的な原因食物として知られてきました。
ところが近年、くるみやカシューナッツなどの「木の実類」が、食物アレルギーの原因食物として報告される割合が増えています。
2026年現在、食品表示のルールも変化しており、2026年4月からはカシューナッツが表示義務のある「特定原材料」に追加されました。
この記事では、木の実アレルギーがどのくらい増えているのか、どんな木の実に注意が必要なのか、そして外食や食品を選ぶときに知っておきたいことを整理します。
木の実アレルギーは本当に増えている?
消費者庁が実施している「食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業 報告書」では、食物アレルギーの原因となった食品について、約3年ごとに全国実態調査が行われています。
令和6年度の調査では、解析対象となった6,033例のうち、原因食物を「類」で分類すると、
- 鶏卵:26.7%
- 木の実類:24.6%
- 牛乳:13.4%
という結果になりました。
木の実類が牛乳を上回り、原因食物として報告された割合で第2位となっています。
さらに木の実類を個別に見ると、くるみは916例、全体の15.2%を占め、鶏卵に次ぐ第2位でした。前回の令和3年度調査では7.6%だったため、割合は約2倍になっています。
木の実類は以前から主要な原因食物だったわけではありません。
平成30年度までの調査では、原因食物の上位3つは「鶏卵・牛乳・小麦」でした。
その後、木の実類の割合が増加し、令和3年度には上位3つが「鶏卵・牛乳・木の実類」となりました。
そして令和6年度には、木の実類がさらに増加しています。
どんな木の実に注意が必要?
「木の実」といっても、ひとつの食品を指しているわけではありません。
令和6年度の全国実態調査では、木の実類として、例えば次のような食品が報告されています。
- くるみ
- カシューナッツ
- アーモンド
- マカダミアナッツ
- ピスタチオ
- ペカンナッツ
- ヘーゼルナッツ
- ココナッツ
- 松の実
- クリ
特に症例数が多かったのが、くるみ、カシューナッツ、マカダミアナッツです。
令和6年度の調査では、くるみが15.2%、カシューナッツが4.6%、マカダミアナッツが1.1%を占めました。
また、ピスタチオも0.8%で、原因食物の上位20品目に入っています。
また、カシューナッツは令和3年度の2.9%から令和6年度には4.6%となっており、割合が増加しています。消費者庁は、このような調査結果などを踏まえて、カシューナッツの表示区分を変更しています。
2026年からカシューナッツの表示も変わった
木の実類をめぐる変化は、食品表示のルールにも反映されています。
これまでカシューナッツは「特定原材料に準ずるもの」として、表示が推奨される品目でした。
しかし、2026年4月1日から、カシューナッツは表示義務のある「特定原材料」に追加されました。
一方、ピスタチオは2026年4月から「特定原材料に準ずるもの」に追加され、表示が推奨されています。
このように、食物アレルギーの表示対象は少しずつ見直されています。
そのため、以前に作られた「アレルギー表示一覧」や古い記事を見ると、現在の制度と内容が異なる場合があります。
食物アレルギーに関する情報を調べるときは、いつの情報なのかを確認することも大切です。
「木の実アレルギー」と「ナッツアレルギー」は同じ?
「ナッツアレルギー」という言葉は日常的によく使われますが、注意したいのが落花生(ピーナッツ)です。
ピーナッツとナッツ類はひとくくりにされることが多いですが、ピーナッツはマメ科に分類され木の実であるナッツ類とは分類が異なります。
「ナッツ類」という言葉だけで判断せず、自分が避ける必要のある食品を具体的に確認することが大切です。
木の実は、思わぬところに入っていることも
木の実は、そのまま食べるだけではありません。
例えば、
- ケーキ
- クッキー
- チョコレート
- パン
- アイスクリーム
- グラノーラ
- シリアル
- サラダ
- ドレッシング
- ソース
- ペースト
- ジェラート
- 料理のトッピング
など、さまざまな食品や料理に使われることがあります。
「ナッツを食べたつもりはないのに、料理に入っていた」ということもあるため、料理名だけでは判断できない場合があります。
特に外食では、メニューに細かな原材料まで書かれていないこともあります。
外食するとき、何を確認すればいい?
ここで注意したいのは、食品表示のルールと外食での情報提供は同じではないということです。
容器包装された加工食品などにはアレルギー表示の制度がありますが、外食は食品表示法によるアレルギー表示の義務対象外です。
そのため、外食では、お店が自主的にどのような情報を提供しているかが重要になります。
食物アレルギーがある方にとって、知りたいのは単に、
「アレルギー対応していますか?」
という情報だけではありません。
例えば、くるみアレルギーがある場合なら、
- くるみを使っていないメニューはある?
- ソースやドレッシングにくるみは入っていない?
- デザートにナッツ類は使われていない?
- 別の料理からアレルゲンが混入する可能性はある?
- 代替食材に変更できる?
- 事前に相談しておいた方がいい?
- どのメニューなら選べそう?
といった情報が必要になることがあります。
そして、「木の実不使用」と書いてあっても、それだけでアレルギー症状が起こらないことが保証されるわけではありません。
同じ調理器具や設備を使用している場合など、意図せずアレルゲンが混入する可能性があります(コンタミネーション)。
そのため、自分のアレルギーの程度や医師から受けている指示などに応じて、必要な確認を行うことが大切です。
「アレルギー対応しています」だけでは分からない
飲食店のホームページやSNSで、
「アレルギー対応しています」
と書かれているのを見かけることがあります。
これは「相談できるお店なのか」を知るうえでは役立つ情報です。
一方で、実際にお店を選ぶ側からすると、それだけでは判断できないこともあります。
例えば、
「くるみアレルギーでも食べられるメニューはある?」
「カシューナッツを使わない料理は?」
「子どもが食べられるものは?」
「デザートは大丈夫?」
「調理器具は共用?」
など、知りたいことは人によって違います。
だからこそ、食物アレルギーのある人にとって大切なのは、「アレルギー対応の店かどうか」だけではなく、自分の条件で何を選べるのかが分かることです。
木の実アレルギーがある人が、外食前に確認したいこと
外食する前には、次のような情報を確認しておくと、候補となるお店を選びやすくなります。
① 自分が避ける必要のある食品
「ナッツ類」など大きなくくりではなく、
くるみ、カシューナッツ、アーモンドなど、自分が避ける必要のある食品
を具体的に確認しましょう。
② 選べそうなメニュー
「アレルギー対応可能」という情報だけでなく、
実際にどの料理が選択肢になりそうなのか
を確認できると、お店を選ぶ際の判断材料になります。
③ ソース・ドレッシング・トッピング
料理そのものには木の実が入っていなくても、
- ソース
- ドレッシング
- トッピング
- ペースト
- デザート
などに使われていることがあります。
④ 調理環境
同じ調理器具や設備を使っているかなど、意図しない混入の可能性についても確認が必要な場合があります。
⑤ 事前相談が必要か
お店によっては、当日ではなく予約時や来店前に相談することで対応できる場合があります。
特に代替食材の準備やメニュー変更が必要な場合は、早めに相談しておくとよいでしょう。
「木の実が増えた」からこそ、知りたい情報も変わっていく
木の実類は、食物アレルギーの原因食物として近年増加しています。
令和6年度の全国実態調査では、木の実類は原因食物の24.6%を占め、牛乳を上回って第2位となりました。
また、くるみは個別の食品として15.2%を占め、鶏卵に次ぐ第2位です。
さらに2026年4月には、カシューナッツが表示義務のある「特定原材料」に追加され、ピスタチオも表示が推奨される「特定原材料に準ずるもの」に追加されました。
食物アレルギーを取り巻く情報は、少しずつ変化しています。
だからこそ、外食や旅行、お出かけをするときも、
「アレルギー対応しているか」
だけではなく、
「自分の場合、何が選べるのか」
まで確認できることが大切です。
事前に必要な情報を確認できれば、自分の条件に合うお店を探すための判断材料を増やすことができます。
それが、外食やお出かけの選択肢を広げることにつながります。
参考情報
この記事では、主に消費者庁が公表している「令和6年度 食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業 報告書」および食物アレルギー表示に関する最新情報を参考にしています。
※食物アレルギーの症状や必要な対応には個人差があります。この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断や治療、食事指導を行うものではありません。外食や食品の摂取について不安がある場合は、主治医等にご相談ください。
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