卵アレルギーで食べられるもの・食べられないもの一覧|パン・お菓子・調味料など注意したい食品

卵アレルギーがあると、
「卵が入っている食品ってどれくらいある?」
「パンやお菓子は食べられる?」
「ハンバーグや揚げ物にも卵が入っているの?」
「卵アレルギーなら、鶏肉や魚卵も食べられない?」
「卵を使っていない食品は、どうやって見分ければいい?」
と、食品を選ぶたびに気になることがあります。
卵は、卵焼きやオムレツのようにそのまま使われるだけではありません。
パンやケーキなどのお菓子、ハムやウインナーなどの加工食品、マヨネーズなどの調味料、ハンバーグのつなぎ、天ぷらやフライの衣など、さまざまな食品や料理に使われています。
一方で、卵を使わずに作られている食品もたくさんあります。
また、「卵アレルギーだから、卵に関係しそうな食品は全部食べられない」わけではありません。
例えば、鶏卵アレルギーの場合、鶏肉や魚卵は、鶏卵とはアレルゲンが異なるため、基本的に除去する必要はないとされています。
この記事では、卵アレルギーがある方やご家族に向けて、
- 卵が使われていることが多い食品
- 卵を含むことがある加工食品
- 卵を使わずに選べる食品の例
- 鶏肉や魚卵は食べられるのか
- うずらの卵はどうなのか
- 卵白・卵黄はどう考えるのか
- 加熱した卵なら食べられるのか
- 食品表示で確認したいポイント
- 外食で確認したいこと
をまとめます。
この記事を読む前に
食物アレルギーでは、同じ「卵アレルギー」でも、食べられる範囲や症状の出方には個人差があります。
「この記事に食べられると書いてあるから大丈夫」と自己判断せず、医師から指示されている除去範囲や、食物経口負荷試験などをもとに決められた「食べられる範囲」を優先してください。
特に、過去に強い症状が出たことがある方は、自己判断で摂取量や調理方法を試さないようにしましょう。
卵アレルギーで食べられないもの・食べられるもの一覧
まず、鶏卵アレルギーで完全除去が必要な場合を前提に、卵を使うことが多い食品や、原材料の確認が必要な食品を整理してみましょう。
以下は一般的な目安です。実際に食べられるかどうかは、商品や料理の原材料、調理方法、医師から受けている指示などによって異なります。
| 食品・料理 | 卵の使用について | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| 卵焼き | 卵を使用 | 卵そのもの |
| だし巻き卵 | 卵を使用 | 卵そのもの |
| ゆで卵 | 卵を使用 | 卵そのもの |
| 目玉焼き | 卵を使用 | 卵そのもの |
| スクランブルエッグ | 卵を使用 | 卵そのもの |
| オムレツ | 卵を使用 | 卵そのもの |
| 茶碗蒸し | 一般的に卵を使用 | 卵液を使用 |
| 親子丼 | 一般的に卵を使用 | 卵を使用する具材・調理工程 |
| 天津飯 | 卵を使用することが多い | 卵を使った具材・あんの原材料 |
| プリン | 卵を使用することが多い | 商品ごとの原材料 |
| カステラ | 卵を使用することが多い | 原材料表示 |
| ケーキ | 商品によって異なる | スポンジ・クリームなどの原材料 |
| シュークリーム | 商品によって異なる | シュー生地・カスタードなどの原材料 |
| クッキー | 商品によって異なる | 原材料表示 |
| ビスケット | 商品によって異なる | 原材料表示 |
| ドーナツ | 商品によって異なる | 生地・コーティングなどの原材料 |
| パン | 商品によって異なる | 生地・表面の塗布材料など |
| クロワッサン | 商品によって異なる | 生地・表面の塗布材料など |
| 菓子パン | 商品によって異なる | 生地・クリーム・トッピングなど |
| 中華麺 | 商品によって異なる | 卵を使った麺かどうか |
| パスタ | 商品によって異なる | 卵を使った麺かどうか |
| マヨネーズ | 卵を使用する商品が一般的 | 原材料表示 |
| タルタルソース | 卵を使用する商品が多い | 原材料表示 |
| ドレッシング | 商品によって異なる | 卵やマヨネーズの使用 |
| かまぼこ | 商品によって異なる | 原材料表示 |
| はんぺん | 商品によって異なる | 原材料表示 |
| ちくわ | 商品によって異なる | 原材料表示 |
| ハム | 商品によって異なる | 原材料表示 |
| ウインナー | 商品によって異なる | 原材料表示 |
| ベーコン | 商品によって異なる | 原材料表示 |
| ハンバーグ | 商品・レシピによって異なる | つなぎなどの原材料 |
| 肉団子 | 商品・レシピによって異なる | つなぎなどの原材料 |
| とんかつ | 衣に卵を使うことがある | 衣の材料・調理方法 |
| フライ | 衣に卵を使うことがある | 衣の材料・調理方法 |
| 天ぷら | 衣に卵を使うことがある | 衣の材料・調理方法 |
| コロッケ | 商品・レシピによって異なる | 衣・つなぎなどの原材料 |
| お好み焼き | 一般的に卵を使うことが多い | 生地・具材の原材料 |
| ホットケーキ | 卵を使う商品・レシピが多い | 生地の原材料 |
| 白ごはん | 通常、米と水だけで炊く場合は卵を使用しない | 炊飯時の材料や調理環境 |
| 野菜 | 生鮮の野菜そのものには通常、卵を使用しない | 総菜・加工品は別途確認 |
| 果物 | 生鮮の果物そのものには通常、卵を使用しない | 加工品・デザート・トッピングなどは別途確認 |
| 肉 | 未加工の肉そのものには通常、卵を使用しない | 味付け肉・加工肉・総菜は別途確認 |
| 魚 | 未加工の魚そのものには通常、卵を使用しない | 練り製品・フライ・加工品は別途確認 |
| 鶏肉 | 鶏卵とは異なる食品 | 通常、鶏卵アレルギーだけを理由に除去する必要はない |
| 魚卵 | 鶏卵とは異なる食品 | 鶏卵アレルギーだけを理由に一律に除去するものではない |
| 豆腐 | 大豆と凝固剤などを主な原材料とする食品 | 味付き商品・加工品などは原材料を確認 |
| 納豆 | 通常、卵を使用しない | 付属のたれや加工品は原材料を確認 |
食品名だけで判断せず、原材料を確認しよう
例えば「パン」は、卵を使っている商品もあれば、卵を使わずに作られている商品もあります。
「ハンバーグ」も、卵をつなぎに使うものもあれば、卵を使わずに作るものもあります。
一方、白ごはんや生鮮の野菜・果物、未加工の肉・魚などは、素材そのものに通常卵を使用しません。ただし、味付けや加工、調理の過程で卵が使われる場合があります。
大切なのは、食品名だけで食べられるかどうかを決めないことです。 市販の加工食品は原材料表示を確認し、外食ではお店に原材料や調理方法を確認しましょう。
なお、原材料に卵が使われていないことと、調理器具や製造設備などを介した意図しない混入がないことは別です。食品表示だけで判断できない場合は、必要な情報を確認し、医師から受けている指示に従ってください。
卵アレルギーで完全除去が必要な場合、食べられないもの
食物アレルギー研究会では、鶏卵アレルギーで完全除去が必要な場合、基本的に、
- 鶏卵
- 鶏卵を含む加工食品
- その他の鳥の卵
を除去する、と整理されています。
では、具体的にどのような食品に卵が使われているのでしょうか。
ここでは、卵を使うことが多い料理や食品、見落としやすい原材料、基本的に除去する必要がない食品について紹介します。
なお、以下で紹介する食品は一般的な例です。同じ食品名でも商品やレシピによって原材料は異なります。
卵そのものを使った料理
まず、卵そのものを使った料理です。
例えば、次のような料理には、一般的に鶏卵が使われています。
- 卵焼き
- だし巻き卵
- ゆで卵
- 目玉焼き
- スクランブルエッグ
- オムレツ
- 茶碗蒸し
- 親子丼
- 天津飯
- かに玉
- 卵とじ
鶏卵アレルギーで完全除去が必要な場合は、これらの料理を避ける必要があります。
ただし、鶏卵アレルギーがある人全員が、同じ範囲の食品を食べられないわけではありません。
医師の診断や食物経口負荷試験などをもとに、加熱した卵の一部を決められた量だけ食べている人もいます。
自己判断で食べられる範囲を広げず、医師から指示された摂取量や調理条件を守ることが大切です。
卵が使われることが多いお菓子
卵は、お菓子の材料としても使われています。
例えば、次のようなお菓子は、卵の使用を確認したい食品です。
- プリン
- カステラ
- スポンジケーキ
- シュークリーム
- バウムクーヘン
- クッキー
- ビスケット
- マドレーヌ
- フィナンシェ
- ドーナツ
- ホットケーキ
- ワッフル
- ババロア
- マシュマロ
- アイスクリーム
これらすべてに卵が入っているわけではありません。卵を使わずに作られた商品もあります。
例えば、プリンは卵を使って固めるものがある一方、ゼラチンや寒天などを使った商品もあります。焼き菓子も、商品によって原材料が異なります。
そのため、「ケーキだから食べられない」と食品名だけで判断するのではなく、その商品に卵が使われているかを確認しましょう。
パンにも卵が使われることがある
パンも、卵アレルギーがある場合に原材料を確認したい食品です。
例えば、次のようなパンがあります。
- バターロール
- クロワッサン
- 菓子パン
- 調理パン
- メロンパン
- デニッシュ
- ブリオッシュ
- 食パン
卵は、パン生地に加えたり、表面に塗ったりする目的で使われることがあります。ただし、すべてのパンに卵が使われているわけではありません。
食物アレルギー研究会でも、調理パンや菓子パンなどが、鶏卵を含む加工食品の例として挙げられています。一方、鶏卵を使用していない食パンなども利用できるとされています。
同じ種類のパンでも、商品によって原材料は異なります。
パンを購入するときは、商品ごとの原材料表示やアレルギー表示を確認しましょう。
麺類にも注意したいものがある
麺類も、種類や商品によって卵の使用状況が異なります。
例えば、次のような食品です。
- 中華麺
- 焼きそば
- インスタントラーメン
- パスタ
- 生パスタ
卵を練り込んだ麺もありますが、卵を使わずに作られた麺もあります。
また、麺そのものに卵が使われていなくても、具材やソース、スープなどに卵が含まれる場合があります。
うどんなども同様に、麺だけでなく、トッピングやつゆを含めて確認することが大切です。
「麺だから大丈夫」「ラーメンだから食べられない」と一律に判断せず、商品や料理全体の原材料を確認しましょう。
練り製品にも卵が使われることがある
魚肉練り製品にも、卵が使われることがあります。
例えば、次のような食品です。
- かまぼこ
- はんぺん
- ちくわ
- 魚肉ソーセージ
これらは魚のすり身などを主な原材料とする食品ですが、商品によっては卵が使われています。
食物アレルギー研究会でも、かまぼこやはんぺんなどの練り製品が、鶏卵を含む加工食品の例として紹介されています。
魚から作られている食品であっても、卵を使用していないとは限りません。購入時には原材料表示を確認しましょう。
ハム・ウインナーなどの加工肉にも注意
卵アレルギーでは、肉そのものだけでなく加工肉にも確認が必要な場合があります。
例えば、次のような加工食品です。
- ハム
- ウインナー
- ソーセージ
- ベーコン
- 肉団子
これらのすべてに卵が使われているわけではありませんが、商品によっては卵を含むものがあります。
食物アレルギー研究会でも、ハムやウインナーなどの肉類加工品、鶏卵をつなぎに使った肉団子が例として挙げられています。
加工肉を選ぶときも、商品ごとの原材料表示やアレルギー表示を確認しましょう。
ハンバーグは「つなぎ」に注意
ハンバーグは、卵が使われていることがある代表的な料理です。
ハンバーグのレシピでは、肉だねをまとめるための「つなぎ」として卵を使うことがあります。
一方で、卵を使わずに作るレシピもあります。例えば、片栗粉などのでんぷんや、すりおろしたいも・れんこんなどを使う方法です。
食物アレルギー研究会でも、ハンバーグなどのつなぎは、でんぷんやすりおろしたいも・れんこんなどで代替できると紹介されています。
外食でハンバーグを注文する場合は、
「ハンバーグに卵は使っていますか?」
だけでなく、
「つなぎには何を使っていますか?」
と確認すると、より具体的な情報を得られる場合があります。
ただし、つなぎだけでなく、ソースや付け合わせ、調理器具などについても確認が必要な場合があります。お店から得られた情報をもとに、食べられるかどうかを判断しましょう。
とんかつ・フライ・天ぷらは衣を確認
揚げ物では、衣に卵が使われることがあります。
例えば、とんかつやフライでは、小麦粉などをまぶしたあと、卵液をつけ、パン粉をまぶす方法があります:
小麦粉 → 卵液 → パン粉
そのため、次のような料理は卵の使用を確認したい食品です。
- とんかつ
- エビフライ
- 白身魚フライ
- コロッケ
- メンチカツ
- 天ぷら
ただし、衣に卵を使わない方法もあります。
例えば、食物アレルギー研究会では、水と小麦粉や片栗粉などのでんぷんを使って、卵を使用しない衣を作る方法が紹介されています。
したがって、揚げ物というだけで卵が必ず使われているとは限りません。
市販品は原材料表示を、外食ではお店に衣の材料や調理方法を確認しましょう。
マヨネーズ・タルタルソースなどの調味料
調味料にも卵が使われています。
代表的なものは、一般的なマヨネーズやタルタルソースです。
一方で、卵を使わずに作られたマヨネーズ風の調味料も販売されています。
また、ドレッシングやサンドイッチのソース、惣菜に使われるソースなども、商品やレシピによって卵が含まれる場合があります。
料理そのものに卵が入っていなくても、ソースや調味料に卵が使われていることがあります。
食品そのものだけでなく、味付けに使われている調味料も確認することが大切です。
ミックス粉にも卵が入っていることがある
家庭で料理やお菓子を作る場合は、ミックス粉の原材料も確認しましょう。
例えば、次のような商品です。
- ホットケーキミックス
- お好み焼き粉
- たこ焼き粉
- 天ぷら粉
- ケーキミックス
商品によって原材料は異なります。粉末状の食品だからといって、卵が使われていないとは限りません。
一方、卵を使わずに作られたミックス粉もあります。
調理の際には、使用する商品の原材料表示やアレルギー表示を確認しましょう。
卵アレルギーでも基本的に除去する必要がない食品
卵アレルギーがあるからといって、すべての種類の「卵」や、鶏卵と名前が似ている食品を除去する必要があるわけではありません。
ここでは、鶏卵アレルギーにおける除去の考え方を整理します。
鶏肉
鶏卵アレルギーがあると、「鶏肉も食べられないのでは?」と心配になるかもしれません。
しかし、鶏肉は鶏卵とは異なる食品であり、鶏卵アレルギーだけを理由に基本的に除去する必要はありません。
この点は、食物アレルギー研究会でも説明されています。
ただし、鶏肉そのものに別のアレルギーがある場合は別です。また、鶏肉料理の衣やつなぎ、ソースなどに卵が使われている場合は、その点を別途確認する必要があります。
魚卵
「鶏卵アレルギーがあると、いくらやたらこも食べられないの?」という疑問を持つ方もいるでしょう。
鶏卵と魚卵は異なる食品です。
食物アレルギー研究会では、魚卵は鶏卵とアレルゲンが異なるため、鶏卵アレルギーの場合、基本的に除去する必要はないとされています。
つまり、鶏卵アレルギーがあることだけを理由に、魚卵まで一律に除去する必要はありません。
ただし、魚卵そのものにアレルギーがある場合は別です。
うずらの卵はどうなの?
一方、うずらの卵など、鶏卵以外の鳥の卵については注意が必要です。
食物アレルギー研究会では、鶏卵アレルギーで完全除去が必要な場合、うずらの卵など、その他の鳥の卵も除去する食品として挙げています。
また、食品安全委員会によると、鶏卵アレルギー者のうずらの卵の摂取によるアナフィラキシーが報告されています。
そのため、「鶏卵ではないから大丈夫」と自己判断せず、医師の指示に従いましょう。
卵白なら食べられる?卵黄なら食べられる?
鶏卵アレルギーについて調べていると、「卵白と卵黄のどちらがアレルゲンなの?」「卵黄なら食べられる?」という疑問も出てきます。
鶏卵アレルギーでは、卵白に含まれるたんぱく質が主な原因となります。食物アレルギー研究会「鶏卵アレルギー」でも、この点が説明されています。
ただし、卵白が主な原因だからといって、卵黄なら誰でも食べられるという意味ではありません。実際に食べられる範囲は、個々の状態や医師の判断によって異なります。
また、消費者庁(文献 p29)によると、食品表示では卵白や卵黄だけを原材料として使っている場合でも、「卵」を含む旨の表示が必要です。
加熱した卵なら食べられる?
「加熱した卵なら食べられるの?」という疑問もよくあります。
鶏卵は、加熱によってアレルゲン性が低下することがあります。ただし、その程度は加熱温度や加熱時間、調理方法などによって異なります。
この点は、食物アレルギー研究会「鶏卵アレルギー」でも説明されています。
そのため、加熱した卵を食べられる人でも、生卵や半熟卵などは食べられない場合があります。
例えば、次の食品を一律に「安全」「危険」と分類することはできません。
- 生卵
- 半熟卵
- 温泉卵
- ゆで卵
- 卵焼き
- 焼き菓子
- 卵を含む加工食品
どの程度加熱した卵を、どれくらいの量まで食べられるかは、人によって異なります。
自己判断で試すのではなく、医師の診断や食物経口負荷試験などをもとに決められた範囲を守りましょう。
卵アレルギーの食品表示はどう見る?
市販の加工食品を選ぶ際には、原材料表示やアレルギー表示が重要な手がかりになります。
2026年10月現在、日本では卵は表示が義務付けられている「特定原材料」の一つです。容器包装された加工食品では、卵を含む場合、その旨を表示することが義務付けられています。
ただし、外食や店頭で包装されずに販売される食品などは、市販の容器包装された加工食品と同じ表示義務の対象ではありません。消費者庁も、「外食・中食での食物アレルギーについて」で、外食・中食での情報提供や意図しない混入への注意を呼びかけています。
そのため、外食ではメニュー名だけで判断せず、必要に応じてお店に原材料や調理方法を確認しましょう。
なお、原材料表示は重要な判断材料ですが、個々の食品の製造・調理環境まで保証するものではありません。食べられるかどうかは、医師からの指示や必要な情報を踏まえて判断することが大切です。
「卵」以外の表記にも注意
食品の原材料表示では、「卵」以外の表記が使われることもあります。
例えば、消費者庁の食品表示資料(文献 p13)では、次のような表記が卵の代替表記として認められています。
- 玉子
- たまご
- タマゴ
- エッグ
- 鶏卵
- あひる卵
- うずら卵
これらは、食品表示制度上、卵を使用していることが分かる表記として扱われます。
また、原材料名には「鶏卵」「うずら卵」「あひる卵」など、卵の種類が分かる表現が使われることもあります。
ただし、すべての表記が制度上同じ扱いになるわけではありません。食品表示制度上の代替表記と、商品名や原材料名で使われる表現は区別して考えましょう。
「卵白」「卵黄」はどう表示される?
「卵白」「卵黄」という文字には「卵」が含まれていますが、現在の表示ルールでは、これらを単純に「卵」の代替表記として扱うのではなく、アレルギー表示として「卵を含む旨」を表示する必要があります。
卵白と卵黄を工業的に完全に分離することは難しく、卵黄にも卵白が混入することがあるためです。また、「卵黄」とだけ表示されていると、卵白は含まれていないと誤解される可能性もあります。
そのため、加工食品の表示では、卵白や卵黄を使用している場合にも、アレルギー表示として「卵を含む」旨を表示する必要があります。
「卵黄」と書かれているから卵白は含まれていない、と単純に判断しないようにしましょう。
なお、卵白と卵黄のどちらを食べられるかは、アレルギーの状態によって異なります。卵白に反応する方が多い一方で、卵黄で症状が出る場合もあります。食べられる範囲については、自己判断せず医師の指示に従ってください。
「卵」の表示がなければ絶対に大丈夫?
容器包装された加工食品では、特定原材料である卵を含む旨の表示が義務付けられています。
では、「卵の表示がない食品なら、絶対に卵が入っていない」と考えてよいのでしょうか。
ここでは、原材料として卵が使われているかどうかと、製造工程で意図しない混入が起こる可能性を分けて考える必要があります。
消費者庁によると、原材料として特定原材料を使用していない食品でも、製造工程上の問題などによって、意図しない混入(コンタミネーション)が起こることがあります。
製造ラインの洗浄などの対策を行っても混入の可能性を排除できない場合には、注意喚起表示が推奨されています。
ただし、これは「卵の表示がない食品には、必ず卵が含まれている」という意味ではありません。
食品安全委員会は、卵の表示がない加工食品についても、体調次第では、通常食べられる加工食品を食べてアレルギー症状が出る可能性があるとしています。
原材料表示から確認できることと、製造環境などについて個別に確認が必要なことは別です。特に微量の混入にも注意が必要な場合は、必要に応じてメーカーに確認し、医師から指示されている範囲に沿って判断しましょう。
「卵不使用」と「自分が食べられる」は同じではない
「卵不使用」と書かれた食品を見つけると、「これなら食べられそう」と感じることがあるかもしれません。
ただし、卵を原材料として使っていないことと、自分がその食品を食べられることは、必ずしも同じではありません。
例えば、卵を使っていない食品でも、次のような場合があります。
- 自分がアレルギーを持つ別の食材が含まれている
- 製造工程で意図しない混入が起こる可能性がある
- 医師から指示されている除去範囲に当てはまる
また、「卵不使用」という表示や説明だけでは、どこまでの情報を確認しているのか分からない場合もあります。
商品の原材料表示やメーカーからの情報を確認し、自分のアレルギーの状態や医師からの指示に沿って判断しましょう。
卵アレルギーで食品を選ぶときの3つのポイント
ここまでの内容を、実際の食品選びに置き換えてみましょう。
1. 食品名だけで判断しない
パン、ハンバーグ、とんかつ、クッキーなど、食品名だけでは卵の使用状況が分からないことがあります。
例えば、ハンバーグのつなぎに卵を使う場合もあれば、卵を使わずに作る場合もあります。揚げ物の衣も、レシピによって材料が異なります。
食品名だけで判断せず、商品や料理ごとの情報を確認することが基本です。
2. 原材料表示・アレルギー表示を確認する
市販の加工食品では、原材料表示やアレルギー表示を確認しましょう。
卵を含む場合、原材料名やアレルギー表示に「卵」「玉子」「たまご」「タマゴ」「エッグ」などの表記が使われることがあります。
ただし、これらの表記だけを機械的に探すのではなく、商品の表示全体を確認することが大切です。
また、商品によって表示方法が異なることもあるため、判断に迷う場合はメーカーに問い合わせる方法もあります。
3. 不明な場合はメーカーや販売店に確認する
表示だけでは判断できない場合は、メーカーや販売店に確認しましょう。
特に、原材料が複雑な加工食品や惣菜、アレルギー対応をうたう商品などでは、必要に応じて詳しい情報を確認するとよいでしょう。
確認するときは、「卵は使っていますか?」だけでなく、気になっている原材料や製造工程について、具体的に質問することも大切です。
外食では「料理名」だけで判断しない
卵アレルギーがある方にとって、外食では市販食品とは違った難しさがあります。
市販の加工食品ではパッケージの表示を確認できますが、飲食店では同じように詳しい原材料表示を確認できるとは限りません。
例えば、メニューに「ハンバーグ」と書かれていても、それだけでは次のようなことが分からない場合があります。
- つなぎに卵を使っているか
- ソースやドレッシングに卵が含まれているか
- 付け合わせに卵を使っていないか
- 衣に卵を使っているか
- 調理工程でどのような材料を使っているか
同じ料理名でも、店舗やレシピによって材料は異なります。
外食前には、メニュー名だけで判断せず、必要に応じてお店に確認しましょう。
「アレルギー対応しています」だけでは分からないことも
お店のウェブサイトやメニューに、「アレルギー対応しています」「アレルギー対応メニューがあります」と書かれていることがあります。
ただし、その情報だけでは、自分が食べられる料理が具体的に分からない場合もあります。
例えば、次のような点を確認したいことがあるでしょう。
- 卵を使っていないメニューはあるか
- 具体的にどの料理を選べるか
- ハンバーグのつなぎに何を使っているか
- 揚げ物の衣に卵を使っているか
- ソースやドレッシングに卵が含まれているか
- 調味料にも卵が使われていないか
- 事前に相談した方がよいか
- 調理環境について確認できるか
日本では、外食・中食の料理は、容器包装された加工食品と同じような一律のアレルギー表示義務の対象ではありません。消費者庁は、外食・中食事業者による食物アレルギー情報の提供を促進しています。
だからこそ、外食先を選ぶときには、「アレルギー対応店かどうか」という情報だけでなく、自分の条件に合う料理や材料について、どこまで情報を確認できるかも大切です。
外食前に確認しておきたいこと
卵アレルギーがある場合、必要に応じて次のような点を確認するとよいでしょう。
料理について
- 卵を使っていないメニューはあるか
- 具体的にどの料理を選べるか
- 卵を使わないメニューに変更できるか
原材料について
- つなぎに卵を使っていないか
- 衣に卵を使っていないか
- ソースやドレッシングに卵を使っていないか
- 調味料に卵を使われていないか
調理について
- 料理の材料や調理方法を確認できるか
- 必要な場合、調理環境について相談できるか
- 店舗側でどこまで原材料などの情報を確認できるか
ただし、お店から情報を得られた場合でも、それだけで「安全」と自己判断するのではなく、自分のアレルギーの状態や医師からの指示を踏まえて判断することが大切です。
卵アレルギーでも、選べる食品はある
卵アレルギーがあると、食べられない食品に目が向きがちかもしれません。
一方で、卵を使わずに作られた食品や料理もあります。
例えば、次のような食品は、卵以外のアレルギーなどがなく、原材料や調理方法が自分の食べられる範囲に合っていれば、食事に取り入れられる場合があります。
- ごはん
- 卵を使っていないパンや麺
- 肉や魚
- 野菜や果物
- 大豆や大豆製品
- 卵を使わずに作られた加工食品
鶏卵アレルギーでは、鶏肉や魚卵は鶏卵とはアレルゲンが異なるため、基本的に除去する必要はないとされています。また、うずらの卵など、鶏卵以外の鳥の卵については注意が必要です。
ただし、別の食物アレルギーがある場合や、医師から個別の指示を受けている場合は、その指示を優先してください。
食べられる範囲を知ることで、選べる食品を広げていくことができます。
卵アレルギーで不足しやすい栄養はある?
卵は、たんぱく質などの栄養素を含む食品です。そのため、卵を除去する場合に「栄養が足りなくなるのでは」と心配になる方もいるかもしれません。
ただし、たんぱく質は卵だけから摂取するものではありません。例えば、肉、魚、大豆・大豆製品などからも補うことができます。
卵アレルギーがあるからといって、必ず栄養が不足するわけではありません。大切なのは、必要以上に食品を除去するのではなく、医師から指示された除去範囲を守りながら、食べられる食品を組み合わせることです。
特に成長期の子どもでは、食事量や栄養バランスについて心配なことがあれば、医師や管理栄養士などに相談しましょう。
参考: 食物アレルギー研究会「原因食物別の栄養食事指導|鶏卵アレルギー」
まとめ|卵アレルギーは「食べられないもの」だけでなく「選べるもの」を知ることが大切
卵は、卵料理だけでなく、パン、お菓子、加工食品、調味料など、さまざまな食品や料理に使われています。
一方で、卵を使わずに作られた食品や料理もあります。大切なのは、食品名だけで食べられるかどうかを判断せず、商品や料理ごとの情報を確認することです。
市販の加工食品では、原材料表示やアレルギー表示を確認しましょう。外食では、料理名だけでなく、原材料や調理方法など、必要な情報をお店に確認することも大切です。
そして、実際に食べられる範囲については、自分のアレルギーの状態や医師からの指示を優先してください。
食べられないものを知るだけでなく、自分が食べられる食品や、選べる料理を少しずつ知っていくことも、毎日の食事や外食先を考えるうえで役立ちます。
卵アレルギーで外食先を探すなら
「今度、どこかに食べに行きたい」と思っても、卵アレルギーがあると、食べられるものがあるお店を探すところから始めなければならないことがあります。
お店を見つけたあとも、「卵を使っていないメニューはある?」「ハンバーグのつなぎは?」「この料理なら自分の条件に合いそう?」など、事前に確認したいことが出てくるかもしれません。
フードハグでは、飲食店から提供された情報をもとに、メニューや食物アレルギーに関する情報を整理しています。
お店を探すときに、アレルギー対応の有無だけでなく、メニューや原材料などの情報を確認しながら、自分の条件に合うかを考えるための参考にできます。
※掲載情報は、食べられることや安全性を保証するものではありません。必要な情報を店舗に確認し、医師からの指示に沿って判断してください。
この記事のポイント
- 卵は卵料理だけでなく、パン・お菓子・加工食品・調味料などにも使われる
- ハンバーグのつなぎや揚げ物の衣など、見ただけでは分からないところに卵が使われることがある
- 鶏肉や魚卵は、鶏卵とはアレルゲンが異なるため、鶏卵アレルギーだからといって基本的に除去する必要はない
- うずらの卵など、その他の鳥の卵については注意が必要
- 卵白・卵黄も食品表示上は「卵を含む」旨の表示対象になる
- 加熱によって卵のアレルゲン性は低下するが、食べられる範囲には個人差がある
- 市販食品では原材料表示・アレルギー表示を確認する
- 「卵不使用」と「自分が食べられる」は同じ意味ではない
- 外食では料理名だけでなく、原材料や調理方法などを必要に応じて確認する
- 自分がどこまで食べられるかについては、医師から指示されている範囲を優先する

