見えない敵を見つける:加工食品・調理器具が招く微量混入リスク

食物アレルギーの事故は、原材料そのものの誤使用だけで起きるわけではありません。実は、加工食品や調理器具、厨房の工程に潜む微量の混入が原因となることも少なくありません。今回は「見えにくい部分」に潜むリスクと、現場でできる具体的な対策を解説します。

1. 加工食品に潜む意外なアレルゲン

加工食品や隠し味には、アレルゲンが含まれている場合があります。普段は気づきにくい部分ですが、注意を怠ると症状が出ることがあります。

  • カレーライスのルーに脱脂粉乳が入っていた
  • イカの塩焼きを食べたところ、照り出しに卵白が塗られていた
  • 合鴨ソテーのソースに卵とバターが使用されていた

ポイントは「表示されている原材料だけでは安心できない」場合があることです。特に加工食品や調味料の成分は変わることもあるため、仕入れごとに確認することが重要です。

2. 調理器具・工程による微量混入

調理器具や工程も、微量のアレルゲン混入の原因になります。食物アレルギーはごく微量でも症状が出るため、調理工程の見直しが欠かせません。

  • チーズ抜きのピザを注文したが、ピザを伸ばす打ち粉に、それまでピザを作ったときの細かいチーズ破片が混じっていた
  • 小豆フラッペにピーナッツ微量混入の可能性。調理容器を1回ごとに洗うが、ピーナッツ系の商品も扱っているため微量に入ってしまったかもしれない

対策のポイント

  • 器具の専用化または徹底洗浄:まな板、包丁、ボウルなどは可能な範囲で専用化する。洗浄は温度・洗剤・浸け置き時間を確認。
  • 揚げ油・打ち粉の管理:アレルゲンを含む油や粉は用途を分ける、またはラベル管理を徹底。
  • 工程の見える化:どの食品にどの器具を使用したかを記録・共有する。

3. 現場でできる確認ルール

  • 加工食品発注時に原材料表を確認:納品書やラベルの確認を習慣化する。
  • 厨房でのラベル・容器管理:アレルゲン有無を明示して保管。
  • どうしても避けられない場合は告知:お客様にそのこと説明し、リスクを伝える。

4. 現場チェックリスト(簡易)

  1. 打ち粉や粉類の保管・管理は専用容器・ラベルで明示
  2. 揚げ油を用途別に管理(アレルゲン有無ごとに分ける)
  3. 発注時に加工品の原材料表を確認し、保管
  4. 調理器具の洗浄記録を簡易で残す
  5. 避けられないリスクはお客様に説明し、告知

まとめ

微量混入のリスクは、目に見えない分だけ見落とされやすいですが、現場のちょっとした工夫でかなり軽減できます。加工食品や調理器具、調理工程を整理し、確認ルールを徹底することで、事故の可能性を大幅に下げることができます。

参考:外食産業における事故事例集